日本株やアメリカ株、そして軍用地などに投資していますが、フィリピン株をおススメする理由があります。
2015年11月にアセアン経済共同体(ASEAN Economic Comunity, AEC)が創設されました。これはASEAN加盟10ヵ国(インドネシア・カンボジア・シンガポール・タイ・フィリピン・ブルネイ・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・ラオス)の物品関税が9割以上の品目において0%になるという高度な自由化を達成した巨大経済圏です。その経済規模は日本円にして約288兆円、人口6億2200万人以上であり、中国、日本に次ぐアジア第3位、世界第7位の経済規模になります。
「AECブループリント2025」で示される具体的な経済活動には
などが盛り込まれており、アセアン経済全体のボトムアップが見込めます。
例えばアセアン諸国は相互ビザ免除の協定があるのでビザをしなくても旅行することができます。またシンガポールを例に挙げれば、特定国(マレーシアやフィリピンなど)の出身者に限定する労働に関するビザを発給しています。このようにアセアン諸国の経済連携は強くなりつつあります。
国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(2021)に基づいて、日本とフィリピンの年齢別人口比率、平均年齢、老年化指数(どれだけ高齢化社会が進んでいるかの水準)を比べると次のようになっています。
人口比率 | 平均年齢 | 老年化指数 | |||
0~14歳 | 15~64歳 | 65歳以上 | |||
日本 | 12.1 | 59.5 | 27.4 | 47.4 | 235.9 |
フィリピン | 30.6 | 63.9 | 5.4 | 28.8 | 17.8 |
フィリピンの0~14才の人口比率は日本の2倍以上、日本の65才以上の人口比率はフィリピンの6倍近くに及んでいます。また平均年齢はフィリピンは28.8才と若い世代が多いのも特徴です。日本の老年化指数はフィリピンの10倍以上の水準に達しています。日本は老齢化指数、0~14才の人口比率から見ても今後の成長を見込みづらいのが分かります。
フィリピンの教育水準は決して低くありません。英会話という観点から言えば日本人よりも遥かに流暢に話すことができます。これは世界ですぐに活躍できるという観点から言って大きなアドバンテージでしょう。
またフィリピンには有名な大学も多くあります。
世界大学ランキング2021年版によると日本の大学の世界ランキングは以下のようになっています。
私立に関しては慶応義塾大学と早稲田大学を調べました。
フィリピンの大学の世界ランキングは以下のようになっています。
国公立に関しては流石に研究費などの予算の差がありますから日本に軍配があがります。しかし私立ではどうでしょうか。デラサール大学は慶応義塾大学に及ばないものの、早稲田大学に少し及ばないランクに属していることが分かります。つまり慶応義塾大学や早稲田大学以下の大学はフィリピンのデラサール大学と同じ、あるいはそれ以下であることを表しています。日本とフィリピンとの経済規模は大きな違いがあるにも関わらず、世界大学ランキングで見た場合に私立では日本の大学と僅差にあります。これはフィリピンの教育水準が低いものではないことを表しています。そして人口比率の観点から言って、このような高水準の教育を受けた若い世代が今後のフィリピンを牽引していくわけですから、かなり希望が持てると言えます。
まずはIMFのデータを参考に作った表を見てください。
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
GDP(億米ドル) | 2,241 | 2,501 | 2,718 | 2,846 | 2,928 | 3,049 | 3,136 | 3,309 | 3,568 |
一人当たりGDP(米ドル) | 2,380 | 2,592 | 2,768 | 2,849 | 2,883 | 2,953 | 2,989 | 3,104 | 3,294 |
日本の名目GDPの規模は、2010年に中国に追い抜かれて以降、米国、中国に次ぐ第3位となりましたが、物価を考慮すると2009年の段階でインドに抜かれて第4位となっています。まだまだフィリピンは日本のGDPには及びませんが、表を見てもらっても分かるように日本のように停滞しておらず右肩上がりの成長を見せています。そしてフィリピンの人口比率は若い世代が多いことから、まだまだGDPの伸び代が大きいことが分かります。
実はこれが一番のおすすめする理由です。
株式投資にはファンダメンタル分析やテクニカル分析と言った手法が用いられています。しかし最も重要なファクターは、どれだけ大きな投資を投入することができるのかにかかっています。
たとえば太平洋に小石を投げたところで返ってくる水しぶき(利益)は小さく、また投げた石(投入資金)を拾い上げるのも困難です。しかし大きな石を投げれば水しぶきも大きく、また投げた石も小さい石に比べて各段に拾い上げるのが容易になります。いくらファンダメンタル分析をしようがテクニカル分析をしようが、AIによって完璧な株価予測ができても資金が小さくては投資の妙味はありません。逆に言えば投入資金が多ければ市場も動きますから、そのようなイレギュラーにテクニカル分析は役に立ちませんし、AIも予想できません。
日本の給料体系で日本株に投資することは湖に小石を投げるようなものですが、日本の給料体系でフィリピン株に投資することは湖に巨岩を投げるようなものになります。返ってくる水しぶきの量は比較にはならないでしょう。また投げた石も拾いやすくなります。したがって可能な限りスケールメリットを活かせる投資をすべきだと思っています。そしてそれが可能なのがフィリピン市場であると考えています。
もちろんフィリピン株は完璧な投資先であるとは言えません。どのような投資にもリスクは伴います。日本と比較すればフィリピン市場はまだまだ脆弱な部分が多くあります。フィリピン株へ投資する際には必ず調べて投資するようにしてください。
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