Gokongwei氏が送り出すRL Commercial REITはフィリピンで4番目の上場、そしてフィリピン国内のREITとしては最大規模です。Gokongwei氏のことをあまり知らないという方は以下の記事が役に立つかも知れません。フィリピン株に投資していれば間違いなく一度はその名を目にするであろうフィリピンを代表する企業の1つ、JG Summitの創設者がGokongwei氏です。
そんなフィリピン株を代表するような会社のREITとなれば、やはりフィリピン国内に限らず、世界中の投資家が注目するわけです。とはいいつつ僕はREITのIPOを今のところすべて見送っています。理由は単純で僕がそこまでREITに興味がないという一言に尽きるかもしれません。しかしIPO後の振り返りは大切です。配当重視のREITであっても、もしかしたら上値追いできる形になるかもしれませんしね。
RL Commercial REITのIPOの売出し価格は6.45ペソでした。なお2021年の配当利回りは5.7%という魅力的な数字を叩き出しています。一応2022年の想定利回りは5.96%としているので、それなりに配当を楽しめると言えるかもしれません。今回のIPOで得た資金は全てポートフォリオの充実に宛てなければなりませんから、その結果として来年の配当利回りは今年よりも良くなるという算段です。なおフィリピンのREIT法では不動産からの収益の90%を投資家に配当しなければならないので、REITは必然的に高配当になる傾向があります。それでもRL Commercial REITはPLDTに比べれば配当利回りは若干劣りますし、同じREITであるDDMP REITやFilinvest REITと比べても利回りは良くありません。AREITよりも若干いいくらいでしょうか。
なおREITで最も重要なのは、そのREITのポートフォリオ、つまり不動産として何を保有しているのかということを確認することです。ビルを複数棟保有していたとしても、それが極端に地方にあったりしたら収益を上げるのは難しいわけですから、REITの投資ではポートフォリオの確認は欠くことができません。RL Commercial REITのポートフォリオはこちらから確認してください。
上場日の14日は募集価格の6.45ペソを下回る6.44ペソを付けましたが、下ヒゲを付ける形で1.6%ほど上回る6.55ペソまで値を伸ばしました。しかし結局のところ終値は0.01ペソ高の6.46ペソとなりました。
この結果はどこかMonde Nissinを彷彿とさせますね。というか株価安定機関にMonde Nissinと同じUBS Singaporeが入っていますから、個人的にはMonde Nissinと同じ値動きになるのではないかと思っています。こういう情報はディスクロージャーではなくPSE EdgeのListing Noticesを見ないと分かりませんが”RL Commercial REITのInitial Public Offering – Price Stabilization Guidelines”と書かれた項目で確認してください。
ただフィリピン株には売り制度がなかったと記憶していますが(もしかしたら機関は可能なのかもしれません)、UBSの安定のために保有している枚数を消費できるくらいの買い圧力がないと、この1ヶ月はヨコヨコするんじゃないかなと思っています。それくらいUBSの株価安定は定評があります。
もちろんただの経験則ですから、僕の予想通りの値動きをする保証はありませんので、RL Commercial REITを買う場合は十分に検証を重ね、自分で自信を持って取り組んでください。