9月20日に公開されたディスクロージャーによると、ジョリビー (JFC) は9月28日から10月4日までに第一回の優先株を発行するそうです。1株あたり1,000ペソで、80億ペソの優先株を発行し、オーバーアロットメントオプションで40億ペソを上限として付す予定です。これらの優先株の売出しで得た資金は新店舗拡大などに使用されます。
優先株とは何ぞやなという方は、以下の記事が役に立つかもしれません。
ちなみにジョリビーの優先株に関しては7月の段階で既に触れています。ただ7月の段階では120億ペソを調達するというだけで、オーバーアロットメントを含むか否か、募集価格などの詳細までは公開されていませんでした。
ちなみにオーバーアロットメントとは、企業がIPOや今回のような優先株の売出しをする際に募集をかけるわけですが、人気があると予定していた株数を超える需要が生じることがあります。するとそれをそのままにしておくと、例えばIPOバブルのような本来の需要と供給のバランスが崩れて望ましくない状態になることが懸念されますし、何より企業としては需要のチャンスを活かしたいわけですから売れるときに売って資金を得ておきたいわけですね。一方で上限を決めずに売ってしまえば、やはりそれはそれで需要と供給のバランスが崩れてしまいますから、需要が予定より超える場合には上限を決めて、既存の株主(創設者など)から主幹事証券会社が株券を借りて売り出します。これをオーバーアロットメントと呼びます。
今回のジョリビーの場合は80億ペソを超える需要があった場合には、創業者などの既存の株主から株を借りて40億ペソまで追加で売ることができる、ということになります。このオーバーアロットメントがいくらあるかで、その後の株価の動きも多少は推測できると言えるでしょう。
優先株は議決権がない代わりに、配当を優先的に得られたり、あるいは会社を精算することになった場合に、その残存資産を優先的に受け取ることができます。
今回の優先株の価格は今のジョリビーの普通株式の値段の約5倍ということで、その価格に見合うものなのか少し様子見が必要な気がしています。優先株と言え市場で売買されるわけですから、売出し後に普通株より少し高いくらいの株価に収まってしまえば償還を迎えたときに強制損切りのように損失を被ることにもなりかねません。
申し込みを予定する人は事前調査を怠らないようにしてもらいたいと思います。