沖縄の軍用地を買ってみた。

軍用地とは早い話が自衛隊だとか米軍が使用している土地のことです。軍用地は沖縄だけの特殊な不動産ではありませんが、活発に売買がされているという点と軍用地ローンという形態があるのが沖縄の特徴です。また倍率という特殊な計算によって不動産価格が決まるのも一つの特徴かもしれません。

今回は「嘉手納飛行場」の軍用地を買いました。

利回りっていいの?

いきなりの本題ですが、日本政府から地権者に支払われる借地料そのものだけを見れば決して割のいい投資とは思えません。例えば僕の購入した嘉手納飛行場の利回りは1%前後です。1000万円の1%だと仮定すると10万円の借地料に過ぎず、株式に投資した方が利回りで言えば有利です。フィリピン株でも配当利回りが3%以上の銘柄はたくさんありますし、利回りだけを見ればフィリピン株や米国株の方を選択するのが最良だと思います。

さらに言えば固定資産税も支払わなければなりませんし、購入する不動産会社によっては仲介手数料も必要です。ただ空室になるデメリットは「ほぼ」ありません。「ほぼ」というのは全くデメリットやリスクがないわけではなく、返還されれば通常の不動産になって戻され、当然のことながら以降は借地料など日本政府からは支払われません。

表面利回りやイニシャルコストなど考えても、あまり購入するメリットはないかもしれません。

「どうして軍用地を買ったんだよ!」

という声が聞こえてきそうですが、単に「借地料だけで見ればメリットはない」というだけです。

キャピタルゲインを望めるかも?

軍用地を所有することで日本政府から借地料が支払われます。

例えば1㎡につき1,000円の借地単価とし、10㎡の軍用地を持っていた場合

年間の借地料は1,000×10=10,000円となります。

ポイントは毎年借地1㎡の値上がり金額が決定される点です。どれくらい値上がりしたのかは軍用地主会からの通知で知ることができます。値上がり分の資料などは軍用地主会に著作権があるため引用は避けますが、地域ごとに差はありますが毎年上昇しています。

例えば10㎡の軍用地の1㎡の借地単価が翌年に1010円になった場合

年間の借地料は1,010×10=10,100円となります。

たったの100円かよ!と思われるかもしれません。

しかし倍率という特殊な計算が沖縄の軍用地では適用されています。ただこの倍率は返還リスクなどを踏まえた、かなり恣意的なものなので注意が必要です。今は仮に倍率を50倍として計算してみましょう。

先ほどの1㎡につき1000円の軍用地で倍率が50倍の軍用地の値段は次のように決まります。

10,000×50=500,000円

50万円を投資して1万円の借地料-固定資産税等を考えたら利回りは良いとは言えないですね。

そこで毎年上がる借地料の登場です。倍率が50倍のままで計算してみます。

10,100×50=505,000円

仮に倍率が50倍で売れれば5,000円のキャピタルゲイン+10,000円の借地料、合わせて15,000円の利益となります。

これが翌年になって借地料が上がり借地単価が1,050円になったとしましょう。

10,500×50=525,000円

・・・先ほど述べたように倍率という計算が恣意的なものなので、このように上手くいくとは思えませんが、マンションは保有し続ければ物件価格が下がる一方で軍用地は保有すれば上がり続けるという差があります。

嘉手納飛行場の川北と川南

今回は嘉手納飛行場を買ってみました。嘉手納飛行場は返還リスクの蓋然性が低く、仮に返還されても周辺の状況から不動産価格が下がるとは考え難かったからです。嘉手納弾薬庫も返還リスクの蓋然性は低いとは思いますが、山の中にあったり繁華街などから離れていると、仮に返還があった場合に山の土地を手に入れても・・・ということになります。そこで嘉手納飛行場を購入しました。

嘉手納飛行場のポイントは地域によって借地単価の上昇率が異なる点です。嘉手納飛行場の近くには比謝川という名前の川が流れています。この川を挟んで川南・川北と呼んでいます。上昇倍率的に言えば川北の宅地見込み地が最も有利だと思います。しかも軍用地ローンの場合、ほぼ嘉手納弾薬庫と同じような場所であっても嘉手納飛行場と同じ倍率で融資をしてくれます。余談ですが、県外からの軍用地ローンを受け付けてくれるのは、今のところ琉球銀行のみ(2021/4現在)です。コザ信用金庫などの根抵当などの軍用地ローンは県内在住者限定となるため、本格的に軍用地を運用したいなら沖縄移住が先になるでしょう。

ただし先ほど述べたように、もし仮に返還された時の土地の使い方の観点から言えば、嘉手納飛行場であったとしても辺鄙な場所の場合が多いので購入すべきかどうかを考えるべきだとは思います。そもそも論ですが川北の嘉手納飛行場が売りに出されることはほぼほぼないように思います。

軍用地は買いなの?

正直に言えば倍率が恣意的なだけあって、その不確定なリスクは大きいと思います。売却したいときに30倍とかになっていたら目も当てられません。

「倍率はそこまで下がることはない」と思われるかもしれませんが、世の中に確実なことなんてありません。特に投資で確実性を取りたければ、リターンも低いものを選ばなければならないでしょう。

倍率下降リスクはある意味で返還リスクよりも高いかもしれません。

そのようなリスクに如何に対応できるかが軍用地を購入する際のポイントになると思います。仮に倍率が下がっても、毎年上がる借地単価でペイできるリスクヘッジが取れれば、まだまだ購入を検討する余地はあると思います。

・・・と言いつつ嘉手納飛行場という高い倍率の軍用地を買ったわけですが(笑)

ただ毎年上がる借地単価と借地料の2つは他にない投資の醍醐味であるとは思います。

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この記事を書いた人
株式投資とか不動産投資とか、あと旅行とか大好物です。これまで58カ国と10ヶ所くらいの微妙な地域を訪れました。英語の勉強もしていますが、なかなか上達しないのに色々な言語に目移りしがち。なぜかフィリピン株中心のブログになってますが、基本的には僕のしがない日記です。
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