AllValueとかマヌエル・ビリヤール氏、あるいはFINE PROPERTIESとか。

フィリピンで不動産投資を考えたことがある人だとか、あるいは実際にフィリピンにコンドミニアムを買って住んでいる人だとか、そういう人たちにとってVista Landは目にする機会が多い会社かもしれません。PSEにはVista Land & Lifescapes, Inc.(VLL)で上場している会社ですね。住宅販売ではフィリピン国内第一位だったりします。そんな会社を運営しているのがフィリピンの長者番付に必ず登場するManuel Villar (マヌエル・ビリヤール) 氏です。

マヌエル・ビリヤール氏は何故かVista Land関連でしか語られていないので、ALLDaysが上場するとか何とか、そんなニュースも随分前に読んだ(まだPSEなどが公表していないのでブログでは紹介していません)ので、ちょいと触れておこうかなと思いました。

マヌエル・ビリヤールさんの簡単な紹介

マヌエル・ビリヤール氏は上院議員などを務めたフィリピンの政治家で、少し前には大統領選にも出馬しています。またフィリピン国内では主に不動産で財を築いた長者とも知られており、それが同氏が経営するVista Landというわけですね。なんだか議員で不動産と聞くと上場企業の麻生コンクリートを思い出すのは僕だけでしょうか。

さてさて、少し話を戻しまして。

大学を卒業したマヌエル・ビリヤール氏は会計士として働きますが、会計士の仕事を辞めてマカティでシーフードを配達する仕事を始めました。しかし事業は順風満帆とは言えず、次に建設会社に砂利などを配達する事業をはじめます。事業が軌道に乗ると住宅建築までビジネスの幅を広げ、これが当たりました。それから水を配達するプライム・ウォーターという会社を立ち上げ、自治体などとも連携し、これまた軌道に乗せました。ほかにも葬祭事業のゴールデン・ヘブン・メモリアル・パークを手掛けるなど幅広くビジネス展開しています。

しかし、経歴を鑑みても他のフィリピン国内の名立たる創業者を超えるような長者らしさを感じませんね?事実としてVista Landはフィリピン国内の住宅販売第一位であったとしても、それだけで長者になるのも少し違和感がありますよね。ということで、窒息しない程度に深堀してみましょう。

関連企業を洗う

マヌエル・ビリヤール氏と言えば何故だかVista Landだけが取りざたされて語られますが、当然のことながらVista Landだけではありません。それで富豪と呼ばれるならフィリピンは富豪だらけかもしれません。先に触れましたがマヌエル・ビリヤール氏は葬祭事業を手掛けるゴールデン・ヘブン・メモリアル・パークの代表でもあります。ちなみに当然この会社もGolden MV HoldingsとしてPSEに上場しています。MVは恐らくManuel Villar氏の頭文字を取ったものでしょう。しかしこれだけで富豪と称するには説得力が欠けますよね。ということで、もう少し洗いましょう。

まず鍵となるのが先ほどのメモリアル・パークが公開している組織図です。

少し見ずらいですが、一番左にVista landがありますが、その株式のうち68.99%をFINE PROPERTIESという会社が保有していると記されています。ちなみにVista landのディスクロージャーでは2021年の段階では56.12%まで保有率を下げていますが、それでも筆頭株主であることに違いはありません。

メモリアル・パークを運営するGolden MV Holdingsは一番右にありますね。FINE PROPERTIES, Inc.が63.97%を保有していると書いてあります。これは2021年のGolden MV Holdingsのディスクロージャーの数字と一致しています。

じゃあFINE PROPERTIES, Inc.って誰が経営しているのかが知りたいところですよね?

ヒントはVista landの2020年のディスクロージャーにあります。そこにはFINE PROPERTIES, Inc.についての説明が細書きで次のように書いてあります。

Mr. Manuel B. Villar, Jr. and his spouse are the controlling shareholders of Fine Properties, Inc. The right to vote the shares held by Fine Properties, Inc. has in the past been, and in this annual meeting is expected to be, exercised by either Mr. Villar or Ms. Cynthia J. Javarez.

マヌエル・ビリヤール氏とその配偶者はFINE PROPERTIESの支配株主です。 FINE PROPERTIESが保有する株式の議決権は過去においても、また今回の総会においてもビリヤール氏またはシンシア氏のいずれかが行使する予定です。(抄訳: Zumi)

https://edge.pse.com.ph/companyDisclosures/form.do?cmpy_id=607

つまりFINE PROPERTIES, Inc.は実質的にマヌエル・ビリヤール氏の会社と言えるわけです。そこで上の組織図をもう一度見てもらうと富豪と呼ばれる所以も分かるような気がしませんか?

今回注目したいのは左から3番目のAllValueです。FINE PROPERTIES, Inc.が100%子会社化しています。このAllValueですが、名前でピンときた人もいるかもしれません。既に上場しているAllHomeの親会社です。まだPSEなどで正式に情報が公開されていないので記事にはしていませんが、スーパーマーケットやコンビニを展開するAllDaysが上場する予定です。もしAllDaysが上場した場合、マヌエル・ビリヤール氏は5つの企業を上場させていることになります…そりゃ富豪とも呼ばれますよ。

それにしても一人の会計士が富豪と呼ばれるようになるのは何か夢があっていいですね。

さてさて。何だかんだと闇に包まれている部分の多いマヌエル・ビリヤール氏ですが、Vista Landだけではないことを理解いただけたことかと思います。AllHomeなどを束ねるAllValueや葬祭事業を運営するGolden MV Holdingsなど、同氏の経営手腕は多岐に渉っています。アヤラやSMのような目立った財閥ではありませんが、フィリピン株の王道は財閥への投資と言っても過言ではありませんから、なにかの参考になればと思います。

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この記事を書いた人
株式投資とか不動産投資とか、あと旅行とか大好物です。これまで58カ国と10ヶ所くらいの微妙な地域を訪れました。英語の勉強もしていますが、なかなか上達しないのに色々な言語に目移りしがち。なぜかフィリピン株中心のブログになってますが、基本的には僕のしがない日記です。
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