フィリピンの最古かつ最大のコングロマリット、もといアヤラ財閥が投資する再生エネルギー部門のAC Energy(ACEN)の公募増資に応募する?という旨の案内がABキャピタル証券より届きました。1株あたり6.5ペソで、市場価格よりも若干安く設定されました。最低申し込み株数は500株、約3250ペソが最低申し込み金額でした。
なお全て英語での案内で日本語での案内はありませんでした。ABキャピタル証券には日本語のホームページが用意されているとは言え、案内は英語で届きますので日本語だけで投資する場合のデメリットと言えるかもしれません。
恐らく既に口座開設された方であれば同様のメールがAB証券から届いていると思います。何か分からないけどもう一度確認したいという方は「サブスクリプション」(画像の青い丸で囲った部分)というところで確認できます(既に公募は終了しています)。
種類にFOO(下の画像の青い丸で囲った部分)と記載してあるのはFollow On Offeringの略称で、日本語で言えば公募増資のことを指しています。
AC Energyによると、今回の公募増資による資金は電力プロジェクトの開発や借入金の返済、買掛金の削減、その他の必要資金に充当する予定だと述べています。なお2020年のAC Energy純利益は37億5,000万ペソで、火力発電所の稼働率は29ポイント上昇しています。さらに同年には風力発電所や太陽光発電所などを取得しています。
台風の多い地域での風力発電、また日本に比べて過酷な自然環境に晒される太陽光発電などのメンテナンスなど、そういうランニングコストを含めて、一体どこまでペイできるのか個人的に興味があります。
しかし、なんというか、AC Energyの動きは思いっきり財閥って感じの投資ですね。
正直これは応募したかったのが本音です。しかし公募価格が公表されたのが4/29だった、つまり日本の休日ですね…。そして締め切りが翌日30日の17時でした。奇しくも別の銘柄を全力買いしたばかりで、たったの3250ペソも用意できず…。30日に送金しても30日の17時までに入金はかなり厳しいです。近々公募されるだろうとは予想していましたが、まさかのゴールデンウィークですよ。
不安要素を言えば、公募増資すれば単純に価値が希薄化するわけですから5/14の上場日まで6.5ペソの株価を維持できるのかは分かりません。It’s just sour grapesですね(笑)上述のように電力プロジェクトの開発などに充てられることをポジティブに見れば値上がり期待も十分にあります。だから応募したかったんですけどね…。
恐らくフィリピン株に投資するにあたってAyala Corp.は外すことが出来ない、というかコングロマリットの株を買っておけばフィリピンのインフラなどにインデックス投資するようなものですから、面白味がなくても安定性は抜群だと思います。
ABキャピタル証券に口座開設をすると投資信託を購入することもできますが、コングロマリットが占めるフィリピンで投資信託する理由はあまりないように思います。フィリピン現地の投資信託はVanguard (バンガード)と比較すれば信用報酬など高すぎると言わざるを得ません。むしろフィリピン現地の投資信託を買うならフィリピンのETF、例えばBlackrockのEPHEを買う方がいいんじゃないかって思います。EPHEの組み入れ銘柄はSM Primeが筆頭になっていますがAyala landやAyala Corp.も含んでおり、かなり堅実かつ王道な組み入れがされています。これを見ると結果的にフィリピン株への投資ならETFでいいじゃんって話にはなりそうですが(笑)
アヤラが保有する有名なものを3つほど挙げろと言われれば、僕は次の3つを挙げるでしょう。
仮にアヤラが経営不振に陥ったとすれば、もうフィリピン全体の問題と言わざるを得ないレベルでしょう。したがってAyala Corp.に投資しておけば間違いはないんじゃないかと言われています。
といいつつ僕も含めてSM派はAyalaの株を持っていなかったりします。フィリピン人の友人もSMの株を持っていたらAyalaを持っていない、そしてその逆の場合もあるのは不思議に思っています。将来的には投資するかもしれませんが、あんまり面白味を感じていません。面白味で言えばSMだってそうじゃん!って言われればそうなんですが、なんでしょうね、SM Mall of Asiaみたいなフィリピン最大級のショッピングモールを建てちゃうとか、SMは欲望にとても素直でAyalaは欲望を隠してしたたかに淡々と事業をするような違いを感じています。ただの感情論ですが(笑)
AC Energyに関しては、14日にどのような値動きになるのか注目したいと思います。