フィリピンのお酒と言えば”San Miguel (サンミゲル)”が有名ですが、実は”Emperador (エンペラドール)”のブランデーも世界的には有名です。と言っても個人的にブランデーなどの蒸留酒の類は飲まないのですが、何気に販売量は世界一です。そんなエンペラドールの株価は驚きの1株9.3ペソ前後(2021年5月現在)です。日本円にすれば20円くらいで世界でも有数の会社の株を買うことができます。社長のウィンストン・コー氏が株主総会でエンペラドールは過小評価されていると述べているように、僕も個人的には過小評価されている類の会社だと思っています。
少し古いインタビューですが、会長のアンドリュー・タン氏はテレビコマーシャルなどにこだわりを持っていると述べています。現代の日本では見かけなくなりましたが、アルコールと言えばセクシーな女性を起用したポスターやコマーシャルなどが中心でした。そのようなイメージから人生に於ける成功や、それに関連する価値観を表現しましたと述べています。したがって、スーツのようなフォーマルな服を着た人だけをコマーシャルに登場させています。
それでは実際にエンペラドールがYoutuneに公開しているコマーシャルを見てみましょう。
あれ?一人だけロングスリーブの人が居ますね(笑)
タガログ語はあまり得意ではないのですが、コマーシャルの主人公はCoco Martinという俳優です。永遠に終わらないと言われているAng Probinsyano (プロビンシャノ)の主演男優ですね。CMの冒頭で女性が”Si Coco”と言った後に”Tama ka diyan(タマ カ ジャン, そうだよ, you’re right的な意味)”と言っていますしCoco Martinで間違いないでしょう(笑)
次に登場する男性は”Emperador bunso”と言っています。Bunsoは末っ子という意味なので、一番新しい商品とか、あるいは一番飲みやすい商品とか、たぶんそんな感じだと思います。そして再びCocoの”Tama ka diyan”です。
次の男性が”Astig(アスティグ, coolの意味のかっこいい)”と言うと、またCocoが自信満々に”Tama ka diyan”と返します。そして次の女性が”Cute”と言うと、Cocoはやっぱり”Tama ka diyan”と言っています。
次の男性が”Lakas (ラカス, 力, 強さ)”と言うと、またまたCocoは”Tama ka diyan”と返事をします。
もう頭の中がTama ka diyanだらけですね!!
こうやって言語は獲得されるんだと思います(笑)
2021年3月31日のレポートでは筆頭株主はAlliance Global Groupです。…やっぱりフィリピン。財閥の影響を見ることができます。しかも比率で見れば合計で80%以上を占めていますから、実質的にアライアンスグローバルグループ傘下の企業です。
エンペラドールは「株主価値の向上」を目的に自社株買いを2021年4月12日に開始し、2021年12月31日まで続ける予定です。実際の取得株数などは株価によって上下するため詳細を決定していません。しかしほぼ毎日のように自社株買いを行っていることが伺えます。自社株買いの分量や価格などのレポートはABキャピタル証券の「企業情報」かPSE Edgeの”Company Disclosures”で見ることができます。ちなみにABキャピタル証券でレポートを見る人は「企業情報 or プロフィール」ではない方の「企業情報」を見てください。英語だと”Company News”となっているので、”News”の日本語訳に困った形跡が見られますね(笑)
なお5月11日のプレスリリースでは国際的な業績が好調であったので第1四半期の純利益が43%増の2.1 billion ペソだったと報告されています (PSE Edge)。
述べるまでもなく投資するかしないかは個人の判断によるものです。
僕個人として社長の考え方など好観が持てますし、何よりグローバル企業として面白いと思っています。