去る2月16日にBank of CommerceのIPOがThe Securities and Exchange commission(SEC)に承認されました。後ほど述べますがBank of CommerceはSan Miguel Corporation(以下、サンミゲル)の子会社です。今回はサンミゲルの子会社のIPOと共にSan Miguel Corporation(SMC)による固定金利債の募集も承認されています。
今回Bank of Commerceは280,602,800株の普通株式を1株当たり12.50ペソで公募し、フィリピン証券取引所のメインボードに上場します。今回の公募により約33億4,000万ペソの資金調達を予定しており、その資金は主に融資活動、ATMや銀行システムのアップグレードに用いられ、残りは投資有価証券の取得に充てられます。
IPOは3月7日から15日まで行われ、PSEへの上場は3月23日を予定しています。
Bank of Commerceは1963年に設立されたOverseas Bank of Manilaを起源としています。2008年にサンミゲルの子会社となり、2020年12月にBankComという名前がBank of Commerceを指す略称であることが知的財産局によって登録されています。2020年は7億8440万ペソの純利益を叩き出し、総資産は1,709億ペソとなっています。純貸付金及び純債権は716億ペソ、預金残高は1,491億ペソとなっています。2021年3月の段階でフィリピン国内の銀行の中では資産額は16位、資本額は17位の規模となっています。また2021年9月30日の段階で支店数は140店舗、ATMは257機となっています。主な商品は預金、ビジネスローン、クレジットカードサービスなど他の銀行と特別変わった事業を行っているわけではありませんが、サンミゲル傘下というのは大きなブランドであると言えるでしょう。
IPOは3月ということで、現在のウクライナ問題が少し落ち着いたくらいになるので検討の余地が出てくるかもしれません。と言っても僕は軍用地の買い増しのためIPOの応募を見送りますが、上場の際には公募価格を上回ることが予想できます。なんと言ってもサンミゲルというブランドはやっぱり大きいです。サンミゲルと言えばビールの印象がありますが、フィリピンではインフラ工事を担うなど幅広い事業を行っています。
まだABキャピタル証券に口座開設をしていない人でも十分にIPOまでには間に合うかと思います。もし興味があればIPOに応募してみては如何でしょうか??