3月2日にAllied Care Experts (ACE) Medical Group傘下のTagum Global Medical CenterのIPOがSECに承認されました。
ただSECのリリースを読む限り、少しややこしい募集となっています。
まずフィリピン株では珍しく単元での公募となっています。
普通株36,000株を売り出すのですが1単元10株(1ブロック)として3,600ブロックの公募となります。さらにIPOの一次募集は4シリーズに分けて行われる予定で、第1期は1400ブロックで1ブロック200,000ペソでの募集となります。第2期は600ブロックで1ブロック250,000ペソでの募集となります。第三期は700ブロックで1ブロック300,000ペソ、第四期は900ブロックで1ブロック400,000ペソとなっています。
IPOによって得られる資金は997,086,914.70ペソを予定し、得られた資金はTagum Global Medical Centerの建設費、創業前資金、債務返済、運転資金に充てられます。2018年に法人化しており、ダバオ・デル・ノルテ州のタグム市に5,000平米の7階建て、116床の医療施設を建設しています。
興味深いのはIPOに応募した人はAllied Care Experts (ACE) Medical Groupでの医療サービスなどの割引が得られるという日本でいう株主優待制度のようなものが準備されています。
気になるのは今回のIPOは開業医やその家族を対象としている点です。一般でも買えるとのことですが取引所での株式公開ではないという話も聞いています。つまり現段階ではABキャピタル証券などのような証券会社で取り扱うか分からないということです。恐らくPSE Easyのような限定的な場でのIPOで、もし売りたい場合は市場での売買は行われないので自分で買い手を探すしかないということが言えるかもしれません。
というか普通のフィリピン人にとっては高値ですし、市場で公開されても買える人はかなり限定される価格ですね。さらにシリーズが後半になるにつれて値段が上がるのは良く分かりません。単元という扱いは同じですし。額面が違うということなんでしょうけども。
個人的には日本の株主優待制度は反対派で手数料を無駄にかけるくらいなら配当に回して欲しいと願って已みません。外国人投資家などには何のメリットもありませんしね。ただ今回の場合は、もしフィリピンに住む予定がある場合は医療費の割引を受けられるというのは大きなメリットとなると思います。フィリピンにも国民皆保険を実施するためのPhilhealthがありますが、それだけでは賄いきれません。もしIPOに応募できる環境があれば検討の余地はあるんじゃいかと思います。
今回のIPOについては続報を待ちたいと思います。