昨年、軍用地の中でも人気と言われる嘉手納飛行場を一筆購入しました。
そんなこんなで地主会が賃料の増額交渉などを行ってくださった御影様もあって、今年は僕の所有する嘉手納飛行場の軍用地(宅地見込み)は0.95%ほど賃料が上昇しました。上昇分の差額は3月に振り込まれるということで上昇の差額はしっかりと振り込まれていました。
毎年上がる賃料と利回りの関係を整理するために実際に計算してみましょう。
話を単純にした方が分かりやすいので以下のような仮定で話を進めたいと思います。
仮定
この場合、売買価格は以下のようになります。
60 (倍率) x 1500 (地代) x 10 (面積) = 900,000円 (売買価格)
地代が1500円/㎡ですから一年目の利回りは次のようになります。
15,000 (年間地代) / 900,000 (売買価格) x 100 = 1.6% (利回り)
利回りは1.6%程度なので株式などの投資に比べれば利回りが低いことがわります。
二年目は上昇率を1%として計算すると次のような利回りになります。
1,500 (1年目の地代/㎡) x 1.01 (上昇率1%) = 1,515 (2年目の地代/㎡)
15,150 / 900,000 x 100 = 1.67%
二年目の利回りは1.67%に上昇します。
三年目から十年目まで上昇率が1%続くとして一気に計算してみましょう。
10年目でやっと利回りが1.82%になりますが2%には届きません。これなら別の投資の方が効率がいいとは思います。そこで問題になるのが倍率というものです。仮に同じ倍率(60倍)で10年後に売った場合、売却価格は以下のようになります。
60 (倍率) x 1640.3 (地代) x 10 (面積) = 984,180円 (売買価格)
10年前の差額で84,180円になります。10年の年平均利回りを計算すると次のようになります。
84180 (売却益) / 10 (期間) / 900000 (元本) x 100 =0.93%
このように考えると10年で平均2%強の利回りになることが分かります。これなら配当利回りのいい株式に投資した方が・・・げふんげふん。と言っても今の日本市場の税金も高いですから結局はトントンのレベルかもしれません。さらに軍用地はもちろん倒産のリスクはないですし、管理費なども不要、賃料の未回収リスクもほぼないと言えますから、株式投資の利回りよりも妙味はあるのかもしれません。
仮に10年後の倍率が63倍になったとして再計算してみましょう。
63 x 1640.3 x 10 = 1,033,389
133389 / 10 / 90000 x 100 = 1.48%
こうなると10年の平均利回りは3%を超える数字になってくるので、まあまあ有りと言えばありの数字になります。
流石に10年後に70倍を超えるような物件が日本人の平均所得などから考えても今後ホイホイと売買されるとは考え難いですし、上昇率が1%を超えるということも経済的な側面から言えば今後は蓋然性が極めて低い気がしています。さらに上の計算は税金を考慮していませんから、税引き後には悲惨な数字になります。∴今が天井なんじゃないかとすら思うわけです。特に軍用地で採用されている「倍率」は市場の動向に左右されるとは言っても不動産会社が決める恣意的な数字ですので不確実性の塊のようなものです。
「倍率」は言い換えれば賃料だけで何年で元金を回収できるのかと言えます。つまり例えで用いた10年後の63倍の10㎡の軍用地の価格1,033,389円は言い換えると、賃料だけで元本を回収するには63年を要すると言い換えることができるわけですね。生きてませんがな…(´・ω・`) もちろん賃料だけで回収しようとすればの話です。
こう考えると、如何に低い倍率で買えるのかが重要になってくるのが分かると思います。
ということで、軍用地を投資対象とすべきなのかどうなのか参考になればと思います。
僕はまた一筆ほど買い増しているわけですが・・・。