ちょっとだけ遡って5月5日にRaslag CorpのIPOがSEC (Securities and Exchange Commission)に承認されました。SECに提出した内容は、1株あたり最大2ペソで、最大3億5000万株を発行する予定です。また売出し人のJ Ten Equities, Inc.はオーバーアロットメントオプションとして最大5,250万株を提供します。当初は5月24日から30日までの募集でしたが、23日から27日に変更されています。6月6日に上場予定です。
それでどんな会社かと言えば、また再生可能エネルギー関連で、主にパンパンガで太陽光発電事業を行っています。例外として再生可能エネルギーの上場は他の業種と比べて上場がしやすいとは言え、ちょっと食傷気味ですね。ACENなど大手を初め多くの企業が再生可能エネルギーに上場しているので、個人的には上場ゴールな会社なんじゃないかと思います。もちろん僕の個人的な意見ですから大化けする可能性も無きにしもあらずです。したがって、よくよくリサーチしてIPOに応募してもらいたいと思います。近々、ABキャピタル証券からIPOの案内のメールが届くんじゃないかと思います。
Raslag Corpと同じタイミングでVistaREITのIPOがSECに承認されています。こちらはALLDAYやVista Landなど幅広く事業を展開しているManuel Villar氏が送り出すREITとなります。SECに提出された書類を確認すると、1株あたり最大2.5ペソで最大337,500,000株の普通株式を発行する予定です。また333,750,000株を上限とするオーバーアロットメントオプションも行われます。Villar氏の戦略と言ってはあれかもしれませんが、廉価な募集価格で上場します。これだとフィリピン株史上、唯一IPOデビューに失敗したMedilines Distributors Incorporatedのようには成ることはないでしょう。ただVillar氏の関連株はAllHomeを別として、あまり冴えない印象を覚えています。今回はREITで利益を90%吐き出さないといけませんから、それなりの株価は維持すると思いますが僕は応募しません。既にAREITを持っていますし、VistaREITのIPOに応募するならAREITを買い増します。
6月に利上げするとかいう発言を受けて、このところフィリピン株が冴えません。短期投資組にとっては今はどの市場も厳しいとは思いますが、中長期的には利上げが行えるということは景気が良いとも言えるわけですから、今は堪える時期だと思っています。日本は利上げが出来ないのは、景気対策として金融緩和を行ったにも関わらず、そこまで景気が上向かなかったことに加えて増税という考えられる最も悪い政策を取りました。つまりお金を借りやすくしたのにお金を借りて設備投資などをしたら税金で搾り取られる状況を作りだしました。こうなると設備投資など行わなくなりますから景気が冷え込みます。この状況で今ここで政策金利を上げるとお金を借りて設備投資を行う流れが完全に遮断されます。しかし税金は据え置きですから思いっきり経済が冷え込みます。言い換えれば景気を上向くための金融緩和が政府の政策によって台無しになっているので、景気回復する手立てがなくなってしまったとも言えます。ですから利上げができるということは景気が上向いている証左と言えますから、今は利上げに伴い資金が債権などに流れていますが、そのうち企業業績の回復による増配などで利回りが良くなれば、株のほうにまた資金が流れてくると思います。ですから今のうちに平均取得単価が下げられるなら、それがベターかもしれません。ただ投資に絶対はありませんから、きちんとリサーチして投資して欲しいと思います。
ということで、まだフィリピンは利上げをすると決定していない状況でIPOに挑戦しても旨味がないと思っているので、今回はどちらも僕は見送ります。