リタイアメント後はフィリピンで余生を過ごしたり、あるいは息苦しい日本を脱出してフィリピンに住みたいと考えたり、あるいは海外で生活することに挑戦したいという理由でフィリピンに住むという選択をした人など、さまざまなタイプの人たちと出会ってきました。気になるのがフィリピンでの生活費ですが、数万円で住んでいる人も居れば数十万円を費やす人など千差万別で良く分からん!というのが実情でしょう。というか、そんなの生活スタイルに依るので絶対的な答えなんて導き出すのは不可能に近いわけです。と言ってしまえば筆をここで置くわけになるので、ちょっと最新のデータを使いながら参考程度に生活費を導き出してみたいと思います。
お世話になるのは世界一の生活費などのデータベースと言えるNUMBEOです。ニューヨークを100として生活費指数を見ることができます。なお世界の全ての街と比較するとアメリカの州ばかりが上位に上がって大変なことになるので、アジアに絞ってみたいと思います(2022/10)。
ちなみに世界一生活費指数が高いのはバミューダのハミルトンで生活費指数は141.16ポイントです。東京よりも120%も生活費は高く、家賃に至っては220%以上も高いです。4人家族の生活費(家賃抜き)は月額にして1,036,633円、単身で284,707円、月給は平均859,146円、町中の家賃は485,839円となっています。そもそもタックスヘイブンとして知られていますし、大きくはない島国ということを考えても、なかなか驚異的な数字ですね。因みに日本の東京の生活費指数は64.10ポイントです。平均月給は387,555円と計算されていますが実体験としてなかなか近い数字のように思います。お隣の韓国はソウルの生活費指数は70.09ポイントで東京を上回っており、平均月給は362,157円となっています。
ということで、フィリピンに焦点を当ててみましょう。
アジアで生活費指数の高い順に並べた時(118地域)、フィリピンのマカティは41位にランクインしました。生活費指数は42.32ポイントで東京と比較して20ポイントほど安く生活できます。少し内訳を抜粋していくつか見てみましょう。
4人家族の生活費(家賃抜き) | 293,894円(月額) |
単身の生活費(家賃抜き) | 84,154円(月額) |
家賃(1ベッドルーム) | 80,047円(月額) |
牛乳1リットル | 239円 |
たまご(12個) | 290円 |
水(1.5リットル) | 141円 |
国産ビール(500ミリリットル) | 165円 |
食品などと比べて家賃が非常に高いですね。家族でマカティに移住しようと思うと日本で生活するのと然程違いがないように思います。単身の生活費は感覚的にこんな感じになるんじゃないかなと思います。
意外に46位にランクインしたのはマニラ首都圏のケソン市で生活費指数は37.38ポイントとなっています。
4人家族の生活費(家賃抜き) | 270,173円(月額) |
単身の生活費(家賃抜き) | 82,150円(月額) |
家賃(1ベッドルーム) | 45,328円(月額) |
牛乳1リットル | 215円 |
たまご(12個) | 263円 |
水(1.5リットル) | 124円 |
国産ビール(500ミリリットル) | 181円 |
マカティと比べて食品などは大差がありませんが、家賃がおよそ半分くらいまで下がっています。しかし生活費が全体的に変化していないのはちょっと良く分かりません。ただ都市開発が進んでいる場所ではあるので家賃は上がっていくと考えられます。個人的に生活費がそこまで変化がないのならケソン市よりもマカティに住むかな~という思いはあります。
アジア全体で見た時にケソン市に次いで生活費指数が高いのは34.73ポイントを付けたマニラでした。マニラ首都圏の真の魔窟の中央に位置するマニラですが、内訳は次のようになっています。
4人家族の生活費(家賃抜き) | 258,648円(月額) |
単身の生活費(家賃抜き) | 73,986円(月額) |
家賃(1ベッドルーム) | 79,390円(月額) |
牛乳1リットル | 228円 |
たまご(12個) | 245円 |
水(1.5リットル) | 89円 |
国産ビール(500ミリリットル) | 161円 |
家賃がやっぱり高いですね。単身の生活費より家賃が高い場合があるというのは魔窟の魔窟たる所以を見た気がします(笑)ただデータは市の中央部の家賃ですから、どうしても高くなる傾向があるのは否めないでしょう。この生活費なら頑張ってマカティに住みます。はい。
恐らく一番気になっている人が多いセブですが、生活費指数は32.66ポイントでアジア全体で見た時には65位にランクインしました。5万円もあれば十分なんて話を耳にしますが、実際のところどうなんでしょうか。
4人家族の生活費(家賃抜き) | 247,187円(月額) |
単身の生活費(家賃抜き) | 70,037円(月額) |
家賃(1ベッドルーム) | 71,674円(月額) |
牛乳1リットル | 230円 |
たまご(12個) | 224円 |
水(1.5リットル) | 76円 |
国産ビール(500ミリリットル) | 162円 |
ということで、こんなデータになっています。単身でアヤラセンターやITパーク周辺だとこんな感じだと思います。地方に住めば家賃は半分くらいになり35,000円になったりします。地方の現地人向けのアパートなどに住めば数千円になる場合もありますが、フィリピンに家族がいるなどの理由がなければ、そこでどのように生活をしていくのかを考えると現実的ではないように思います。5万円もあれば十分なのは過去の話で、フィリピンは急速に経済成長していますから当然と言えば当然なのかもしれません。
オンライン英会話の先生の給料は月額で2~3万円くらいです。そんな人たちがどうやって生活してるんだ!こんなデータ信じられないという人がいるかもしれませんが、基本的にフィリピンは比較的大家族で支え合って住んでいますから、家単位となればこれくらいの数字にはなると思います。また近年はマカティやBGC周辺に住むフィリピン人プログラマーは日本人以上の給料で働いてたりします。そして何より強いのがOFWsとして外貨を稼いでくる家族がいる点です。家族二人で年金で悠々自適にフィリピンで生活するというのは過去の話になるのも遠い日ではないような気がします。もちろん地方都市にいけばまだまだ安く生活はできますが、そこで何を求めるのかを考えなくてはならないでしょう。というお話でした。