ということで沖縄軍用地の土地明細書が今年も届きました。
賃料は0.95%の値上がりで1,672.81円/㎡となっています。なお昨年の単価は1,657.07円/㎡です。いや~渋いですね。昨今の物価高などを考慮すると本当に渋すぎますね。なお一部では賃料の上昇率が下がっている模様です。
昨年に僕はこんなことを言っていました。
僕の勝手な想像ですけども、軍用地投資は右肩下がりになるんじゃないかな~なんて思っています。恐らく価格的にはここら辺が天井で、繰り返しとなりますが倍率を下げて価格は据え置きというのが契約更新までの流れな予感がしています
昨年の僕
ということで現実的になっていますね。倍率は天井を打って下がり始めました。そりゃそうですよね。手間がかからない、毎年約1%の値上がり、複利でキャピタルゲインも見込めるなんて宣伝文句がありますが、キャピタルゲインが望めるのは購入した倍率で、あるいはそれ以上の倍率で売れた場合だけです。既に天井と言ってもいい倍率より更に高い倍率で買いたい人っていると思います??仮に賃料が上がって倍率が据え置きなら土地の価格は上がりますから利回りは悪くなります。既に利回りが2%前後なのに、土地の価格が上がれば当然利回りは悪くなります。仮に利回りが1.5%まで下がったら投資対象も増えてきます。利回り1.5%なら元本が返済される債権の方が全然いいですね。この状況で軍用地を売る側の取るべき手段って倍率を下げるしかありません。既に賃料が上がっているから「まあトントンなところで売れればいいか」ということで倍率を下げるのが自明でしょう。
次に手間がかからないならREIT(不動産投資信託)も同じです。利回りはREITの方が圧倒的にいいです。土地の所有権があるとは言いますが、嘉手納基地はほぼ今の人間が生きている間に日本政府が賃貸契約の更新を止めるということは考えがたいので所有権だけがあって使えない土地です。そして土地の所有権があるということは税金を納めなければなりません。毎年約1%の値上がりと言っていますが固定資産税など引いたら1%の値上がり以下になります。それくらいの増配ならREITだってやってくれます。減配のリスクがあるのはREITかもしれませんが、賃料が下がるリスクは軍用地にだってあるわけです。
さらに言えば不動産屋が持っている土地を不動産屋が売り始めたら、というか現実にもう不動産屋が分筆して売っている段階なので軍用地の購入は考え直した方がいいです。不動産のプロが売るということは事情があるはずなんですよね。持っていて損がないなら不動産屋が売る理由がありません。
仮に軍用地を買うならですが、返還リスクを考慮すると今人気になりつつある弾薬庫あたりは買えないな~と思っています。返還された山奥の土地で返還後の値上がりなんて期待できるわけもありませんし。
2022年のニュースにこんなものがあります。
防衛省は17日、うるま市と沖縄市にまたがる嘉手納弾薬庫地区(旧東恩納弾薬庫地区)の一部土地約31ヘクタールを3月31日までに返還すると発表した。日米合同委員会で同日に承認を得たという。同地区の返還は1996年3月に承認されていた。防衛省によると「返還地の大部分は防衛省用地として使われる」としている。自衛隊の訓練施設が近接しており、返還後は森林や起伏のある土地の性質を生かした訓練の用地として使われるとみられる。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1472649.html
全てではなく大部分なのがポイントですね。この返還される実績を考慮すると今後も返還される蓋然性が高いと見るのが自然でしょうから弾薬庫は僕は買えないです。返還が決定され、しかも自分が持っている土地は防衛省用地から外れてしまっていた…なんてことになったら目も当てられません。特に不動産屋が売り主の弾薬庫は正直なところ気をつけるに越したことはないと思います。
確かに順調に毎年確かに賃料は上がっていますが、そもそも倍率が恣意的な数字なのでキャピタルゲインに関しては確実性はありません。賃料の上昇と株式などの増配を考えると後者に軍配が上がります。利回りは頗る悪いです。手間がかからないのはREITやETFも同じです。税金の分を引いたら軍用地はあまりメリットを感じません。
今から軍用地を買うことを検討するなら僕は素直にREITかETFをオススメします。
軍用地主の僕が言うんですからね(笑)