フィリピン国内で人気の即席麺Lucky Me (ラッキーミー)ブランドなどを有するMONDE NISSINがついに上場します。
なおNissinと銘打っていますが、日本の日清食品などとは関係のない会社です。Nissinは日本語の単語のような雰囲気もしますし、どこかで日本と何か関係がある会社なのかと考えたくなりますが特に関係はないようです。
Monde Nissinが有するLucky MeブランドのPancit Canton (パンシットカントン) はフィリピンで初めて作られた即席麺であり、また2015年から5年連続で最も購入されている即席麺です。
Monde Nissinに他に何か有名なものがあるかと聞かれたら…結構困りますね。
大型IPOとは言え、申し込むべきなのかは迷っています
ABキャピタル証券で口座を開いている方には既にIPOの案内があったかと思います。ABキャピタル証券では1株13.50ペソで最低500株から応募することができます。
この価格は過小評価な気がしないでもないのですが「Lucky Me以外に何かある?」と聞かれたら困るのもまた事実ですし…。
冒頭でNissinという名前を冠していますが特に日本と関係がないと述べました。実はそこが問題で日本の日清食品と関係のある上場企業がフィリピンに既にあります。それがUniversal Robina(ユニバーサルロビーナ (ティッカー:URC)です。
確かに即席麺のフィリピン国内での売上第1位はMonde Nissinなのですが、ユニバーサルロビーナは日清食品以外に日本のカルビーとも提携しています。一方のMonde NissinのLucky Me以外のブランドは少し冴えません。
さらに即席麺に限定していえば、Zest-O (非上場)のQuickchowもあります。
個人的にLucky Meのパンシットカントン(Pancit Canton)が好きです。正確に言えばアジアなクオリティの味だから好きなんですけど、日本で買える輸入用のLucky Meのパンシットカントンとフィリピン国内で買えるLucky Meのパンシットカントンは麺の形状も違えば味も若干異なっています。輸入用のパンシットカントンもアジアなクオリティの味はしますけど、何かちょっと違うな~という違和感があるのは否めません。
個人的に「フィリピンだな〜」と思うLucky MeのPancit CantonのCMがあります。
「朝ごはんが一番好きな時なんだよね〜」から始まって、いろいろなパンシットカントンとの組み合わせが紹介されていきます。
まず一番初めに出てくるのが、朝食でおなじみのTapsilog (タプシログ)の改造バージョンのPansilogです。
Tapsilog (タプシログ)とは”tapa, sinangag at itlog”を省略した言葉でBeef Tapa(牛肉を甘辛く焼いたもの)とガーリックライスと目玉焼きのセットのことです。そのBeef TapaをPancit Cantonにしたものということですね。
次に出てくるのがツナと合わせたPan-tuna(パンツナ)ですね。これをバリエーションの1つと数えるのか僕なら迷いますね(笑)だってこれ、ただパンシットカントンにツナを合わせただけですよ..。企画の段階で落とすレベルですね。
そして最後は個人的に問題作とも言えるPan-pan(パンパン)です。日本で言えばインスタント焼きそばとパンを食べるようなものです。個人的に「焼きそばパン」って食べないんですけど、確かに「日本にだって焼きそばパンがあるじゃん」って言われればアリなのかもしれません。
というか注目したいのは初めのPansilogも炭水化物+炭水化物なら、このPan-panも炭水化物+炭水化物ですよ(笑)どんなけ炭水化物を摂取するんですか!?って感じです。
CMの中ではPan de sal (パンデサル)と言っていますがスペイン語の塩パンのことではなく、ノーマルな食パンのようなものもフィリピンではパンデサルと呼ばれています。スペイン語の単数の机のla mesa(ラメサ)がフィリピンでは複数の机でもla mesaが使われていたり、フィリピンのスペイン語由来の言葉はスペイン語と少し異なった意味で発展しています。
正直なところ今回のIPOは見送ると思います。
確かにLucky Meは魅力的ですが、他のブランドがパッとしないのがネックです。
また良くも悪くもパンシットカントンはアジアなクオリティなのも気がかりです。
日本のようなIPOで稼ぐ手法が果たしてフィリピン株でも通用するのでしょうか。