フィリピン株と言えば財閥系への投資が手堅いわけですが、財閥にもいろいろありまして、今もっとも流行っぽいのはアヤラ財閥 (Ayala)だと思っています。たとえば傘下のAC Energyは太陽光発電などへ集中するためにネグロスのバイオマスプロジェクトを捨てたばかりですが、その判断力の素早さなどは本当に素晴らしいと思います(ニュース)。
そんなアヤラ財閥の傘下にAyala Land (アヤラランド)があります。恐らくフィリピンでコンドミニアムを購入しようと検討された方の中には、Ayala Landブランドのコンドミニアムが混じっていたと思います。
フィリピンに移住しようと思ったり、あるいは選択肢としてリタイヤメントビザを取得するためにも現地の住所が必要になってきます。つまりフィリピンに移住しようと思うと不動産の賃貸だとか購入を視野に入れないといけなくなるわけですね。
残念ながら生粋の外国人はフィリピンの土地の所有が認められていません。例外としてコンドミニアムのみ所有が出来るわけで、どうしても平屋一軒建てみたいなのに住もうと思うと賃貸しか選択肢がなくなるわけです。
賃貸より購入派の僕としては必然的に選択肢はコンドミニアムしかなくなります。そこで例えばGoogleで「フィリピン コンドミニアム」とかで検索すると日本の物件の方が安いんじゃない?ってレベルのコンドミニアムがゴロゴロ出てくるわけですよ。そんなに資産があれば問題はないのですが、僕みたいな弱小投資家は如何に仲介手数料のようなコストを下げるのかが重要です。
幸いなことにAyala Landは自社で販売価格や家賃などを公開しています。アヤラランドが直接の契約相手になるので安心もできます。やっぱり良くわからない不動産会社って怖いですからね。
そんなこんなで例えば一番安い物件、つまり上限を500,000ペソ(日本円にして約100万円)で検索してみると、いくつか候補が出てきます。
どうやらBellaVita Alaminosという物件が一番安いようです。価格は400,000ペソですから、日本円で約80~90万円ほどでしょうか。約80万円で夢の一軒家が買えるわけですよ。ただ先に述べたように外国人の土地の不動産は認められていませんから、このあたりはアヤラランドに確認した方がいいでしょう。
ちなみに日本でベラビタブランドを販売している会社の値段をチェックすると、少し手数料を乗せたくらいの価格で紹介していました。なんだ意外に良心的じゃん!って思ったのはここだけの話です。本当に何でも疑ってしまって申し訳ないです。
さてさて、早速ベラビタアラミノスのロケーションを確認してみましょう。
あからさまな新興住宅街って感じですね(笑)
なおマニラからも遠いので、快適なシティライフを送ることは諦めざるを得ないでしょう。しかし別荘な感じで使えるかと言えば、ちょっと密集しすぎてて中途半端な状態ですね。
ちなみにGoogleストリートビューで家の中を撮影してくれている人がいるのでチェックしてみてください。
口コミには意外に良くて「新鮮な空気」と書かれているままのロケーションと考えていいでしょう。
ちなみに町の様子はこんな感じです。
う~ん、、、どこでも住める自信はあっても、あえてここに住もうとは思わないですね。
これはAir BnBも難しそうですし、賃貸に出すのも難しそうです。
リタイヤメントビザ取得のために一時的に購入しても、売るのが大変になりそうな印象です。
ちなみに、Ayala Landが公表している最も高いコンドミニアムはArbor Lanes (アーバーレーンズ)です。最も安くて1700万ペソで、最も高くて7300万ペソです。一番安い価格帯は恐らく1 Bed Roomの部屋で、一番高い部屋はPenthouseでしょう。マニラ首都圏のタギッグにあるので、そんなところかな~という印象です。
目の前にSMモールもあって、ニノイ・アキノ国際空港も近いですし、快適なシティライフが約束されていることでしょう。ただし「新鮮な空気」はないと思います(笑)
配当利回りは2021年の実績として1株あたり0.1358ペソが支払われました。終値(6/18)から計算すると約0.37%と、他の高配当のフィリピン株と比べるとかなり見劣りします。コロナウイルスの影響前の配当が0.26ペソですから、それで計算しても配当利回りは0.72%となります。
チャートを見ても上場時に比べれば右肩には上がっていますが、あまり期待できそうな雰囲気ではありません。
これならデルモンテの優先株を買ったり、高配当のPLDTとか買った方がいいような気がします。
したがって個人的には投資対象から外れる株です。
コンドミニアムを手掛けると言えばバラ色めいた企業イメージを抱きますが、こういう時には安い物件を見て、どのようなことをやっているのかを知るのも投資先を決める重要なファクターであると思っています。