このところジョリビーネタが多い気がしていますが、これだけ集中してアフターコロナに向けて前進する企業も少ないように思います。そんなジョリビーの次の戦略はREITでした。
ジョリビーはディスクロージャーでダブルドラゴンプロパティーズ (Ticker: DD)の産業用リース部門のCentralHub社に約20億ペソ相当の不動産と約19億ぺその現金を投資する計画が取締役会で承認されたと伝えています。このCentralHub社は後々にフィリピン史上初めての、そして最大の産業用不動産投資信託 (REIT)に展開する予定だそうです。もともとダブルドラゴンとジョリビーは蜜月なところがありますから「その組み合わせ?!」的な驚きはありませんが、JollibeeがREITに参入するのは意外な気がしました。
いやいやダブルドラゴンと言えばDDMPって既にREIT出してますやんか!って思ったんですけど、今回は住宅などのREITではなくオフィスや倉庫などの産業用に特化したものと考えればいいんでしょうか。そもそも今回のジョリビーが行う投資でCentralHub社の普通株式をジョリビーが獲得するわけですからJollibeeによるREITと言っていいのかもしれません。なんだか少し複雑な気がしないでもないんですけど、CentralHubは将来IPOを募集して、そこで得た資金でJollibeeは新しい店舗などを増やす計画だそうです。つまりCentralHubで店舗用の土地を購入して賃貸に出す。その土地にJollibeeとかMang Inasalなどを建てる(店舗だけではなく食品工場なども含めて)。そうすれば家賃は第三者に払うのではなくCentralHubが吸収する形になるので実質家賃はタダ!みたいな作戦でしょうか。
Jollibeeの株主からすればジョリビーの持つ不動産という資産が減少してREITという有価証券を得ることになるので、実質的に何も変わっていないのかもしれませんが、Jollibeeは少し値を下げました。よくよく考えればCentralHubはダブルドラゴンの一部門なわけですから、結局ダブルドラゴンが一番うまいところを持っていくと言えなくもありません。
このところREITのIPOを目論む企業がとても多くなったように思います。個人的に日本のREITの刷り込みのためか、あまりREITにいい印象を持っていません。REITのメリットってIPOで資金を集めることができる点 (REITに限りませんね(笑))にあるとは思うんですけど、REITとして承認された後は利益の90%を株主に還元しなくてはならないなど成長性をあんまり感じないんですよね。ただ面白いとは思うのでIPOの募集があったら応募はしてみようと思います。
ジョリビーとダブルドラゴンのREITは産業用REITという意味ではフィリピンにおける史上初+最大になる予定です。なんだかそれに話題を攫われてFILINVESTのREITが霞んでしまった感が否めませんね。