日経は大きく値を下げましたが、どこか日本の現状というか将来というか、そういうものを表しているようにも見えます。アメリカが風邪をひいたら日本は肺炎になる感じなのは昔からなのかもしれませんが、日経平均が3万円を超える日は来るのでしょうか。…こう書いておくのも、5年後くらいに見直して自分がどのような姿で回顧するのか楽しみだからではあるのですが。
さて本題の実験です。
フィリピンの株式市場は日経と同じようにマイナスから始まりました。ただし日経のようなズルズルとした嫌な下げではなく、一旦底を付いて持ち直した形で読みやすい相場でした。フィリピンの株価指数は6,587.20ペソ、-106.63、-1.59%で取引を終えました。
AC Energyは8.13ペソで始まり、安値は7.82ペソで、高値は8.34ペソ、終値は8.21ペソとなり、前日比と比べて0.02ペソ、0.2442%上昇しました。評価損益は多少戻して-3,771.86ペソ、-8.33%となりました。
えーっと、日足的には中立になってますね。しかし!!!テクニカル指標は売りになってるぅ!!!
はじめから日足のテクニカル分析なんてこんなもんでしょくらいの認識でいましたが、それを実感すると複雑な心境になりますね。まだ週足と月足では強く買いが出てますから実験は続けますが先行き不安ですね。
こう言っちゃ元も子もないんですけど、テクニカル分析そのものに僕は懐疑的な意見を持っています。ただのランダムウォークだって言ってしまえばそれまでなんですけど、有料投資情報もとい仕出株みたいな動向もありますし、ニュースは知った段階で遅いわけですし、そういう不確定要素はテクニカル分析では読めません。それでも机上の空論よりも実体験できるなら実体験するに限ると思っています。
テクニカル分析肯定派の論拠はBrock, Lakonishok and LeBaronの実験で、約100年分のDow指数を用いてテクニカル分析の有用性を明らかにしています。しかし東田啓の実証結果によると、Brock, Lakonishok and LeBaronと同じ手法を入手可能な20年分の日本の株価指数データで行ってもテクニカル分析による超過リターンは認められなかったのと述べています[1]。また北島孝博は株価指数に於けるテクニカル分析の有効性を研究し、加重平均型株価指数の有効性は近年になるにつれて低下し、単純平均型株価指数の有効性は近年大きな変化がなく、非常に低いことを明らかにしています[2]。
つまり「テクニカル分析っておまじない程度のもんじゃない?」ってことですね。実際、多くの研究者はその程度の認識です。
ちなみに加重平均型株価指数とは株価の単なる平均ではなく時価総額を加味した平均値の算出方法で、日本ではTOPIX (東証株価指数)で用いられています。一方の単純平均型株価指数は単純に株価の平均値を出したもので日経平均株価で用いられています。そのどちらにもテクニカル分析の有効性が低いというのは興味深いと思いませんか?
明日 (20日)はイスラム教犠牲祭のイード・アル=アドハー(Eid ul-Adha)のためフィリピン市場は休日となります。休日前の手仕舞いということで、水曜日は少しだけ期待したいと思います。
[1] 東田啓「株式市場と為替市場におけるテクニカル分析の有効性と、長期記憶性(持続性)およびカオス性との関係」, Yokohama business review. 16(4), pp354-364, 1996-03
[2]北島孝博, 「データ・スヌーピングを考慮したテクニカル分析の有効性の時系列的推移」, 経営財務研究, 第13巻第2号, pp93-111, 2011-12